出会いと別れの季節 その2 ページ22
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「あ、本当だ」
あんくさんの手のひらには一枚の桜の花びら。
「ありがと」
あ「こうやってさ、桜の花びら取ったふりして、差し出す時に指輪出しちゃったりするのロマンチックだよねぇ〜」
「ふふ、あんくさんやりそう」
あ「そう?」
恥ずかしくてできるわけないよーって照れたように笑ってる。
でも…きっとあんくさんは、好きな人には全力で尽くしてあげるんだろうな。
優しいもんね。
他の二人もそうだけど、ここに来る前に大切な人とかいたんだろうな
そう考えると、少し寂しいって思っちゃうのは今一緒に暮らしてるからだよね。
はじめ突然ここに来たように、帰るときも突然なのかな。
あ「春ってさ」
あ「出会いの季節って言うでしょ?でも別れの季節でもあるからさ。もしかして、みんなと離ればなれになっちゃうんじゃないかなぁって…不安だった。」
「…あんくさん」
あ「でもまだAちゃんは俺の隣にいて、家に帰ればうらたさんも、まふくんもいる。安心すると共に、このままでいいのかなって思うんだ。」
「私も…どんどん今の生活が楽しくなっていくほど、でも前の生活にも戻らなくちゃいけないって気持ちもあって」
あ「なんでAちゃんだったんだろうね。」
桜の木を見上げながらあんくさんが言う。
あ「俺たちのところに来たのが」
「分かんないです…」
あ「これが運命ってやつなんだろうね!」
本当になんでだろう。
初めはあんなに帰りたいって思ってたのに。
今隣にいるあんくさんも、ずっと寝てるまふくんも、なんか放送するから入ってこないで!って部屋に閉じこもってるうらたさんも
今は一緒にいるのが当たり前になってる。
だからこそ、別れが怖くなってる。
「突然のさよならは…嫌だな」
右手をそっと握られる。
あ「みんなそう思ってるよ」
帰ろ。あんくさんがそう言って、もと来た道を私の手を引いて歩く。
あ「Aちゃん。もしね、突然バイバイになったとしても、また会えると思うんだ。」
あんくさんが前を向きながら話す。
あ「そんな気がする」
あんくさんが言うならきっとそうだね。
桜の花びらで埋め尽くされたピンク色の絨毯の上を二人で歩く。
早く帰ろう。
なんだか急に、家にいる二人の顔が見たくなった。
なんでだろうね。
春って暖かくて、とっても気持ちいい季節だけど
大切な人を恋しく思う季節でもあるのかな。
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性別(プロフ) - すっごい面白いですね!スプラトゥーン!!!…持ってない。 (2017年2月26日 14時) (レス) id: ce08871b3f (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメルとジュリエット(プロフ) - わわ!めっちゃキュンキュンしましたー!!ヤバイですもー、みんな可愛すぎる!ホントはもっと続いてほしかったなぁって…すみません、勝手に。でも、凄く凄く面白かったです!また、次の機会とかにこういう系書いてください!お願いします!ずっと応援してます! (2016年1月1日 11時) (レス) id: 82afe0cbdd (このIDを非表示/違反報告)
き り こ(プロフ) - りるれろさん» ずっと更新してなくてすみませんんんm(_ _)m最近ネタも切れてきてしまいめっちゃふざけてる感あるんですが、そこは許してください 笑 まふくんの可愛さを全開に出していけるように頑張りますね! (2015年6月6日 1時) (レス) id: b6e442a88e (このIDを非表示/違反報告)
りるれろ(プロフ) - 更新再開されてとてもうれしいです!!いやーまふくんかわいいですね(( (2015年6月5日 21時) (レス) id: a1515c8a0b (このIDを非表示/違反報告)
はいね。(プロフ) - かんかんさん» コメントありがとうございます!!本当ですか!そう言って頂けると嬉しいです(((o(*゚▽゚*)o)))ですよね〜こんな生活送りたいですよね!これからも妄想全開で書いていくんでよろしくお願いします!笑 (2015年3月31日 23時) (レス) id: b6e442a88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:き り こ | 作成日時:2014年12月21日 21時