たぬきと犬とてるてる坊主と

ひな祭り(3月3日) ページ18

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「そっかぁ…今日ってひな祭りか」


カレンダーを見て思い出した。

小さい頃お母さんと一緒に雛人形飾ったっけ…
大きくなってからは出さなくなったけど。


「この家にあるのかな」

あ、でもそういえば！
かくれんぼした時にうらたさんと隠れた階段の所の物置に確かいろいろあったような！


「探してみようかな」


階段の下にある小さなドアを開け、中に入る。
中は思ってたよりほこりっぽくて、少し咳込む。

あの時はそんなに感じなかったはずなのに


「それどころじゃなかったってことか…」

うらたさんに腕を掴まれてたあの状況を思い出す。

ぽわーっと顔が自然に熱くなってくる。


「いけないいけない！別にあれくらいどうってことないし！」

頭を横にブンブン振って、ないないって自分に言い聞かす。


「それにしても暗くて見にくいな」

入口の方は外の光で見えるけど、奥の方は暗くて見えない。


ま「なにしてるの」


この声は…まふくん！


「まふくん！っ痛」

ま「その中狭いんだからいきなり動くとぶつけるよ」


一旦外に出て、まふくんにお雛様があるか探してることを言った。

ま「あー小さいやつならその中にあった気がするよ」

僕がとってあげるから退いてって言われて隅っこに移動する。

ま「あ、あったよー」
「本当！」
ま「うん…ん？何だこれ。上に色々重なってて取り出せない…」

「そっか…無理しないでいいよ？」

ま「君も手伝って！」
「あ、うん」


狭い中に入る。やっぱり二人はきつい。


「お雛様ってどれ？」
ま「ないよ」
「え？」

ま「うらたさんと入った時と、今僕といるのとどっちがドキドキする？」


なんで…うらたさんと隠れてたこと知ってるの。まふくん。


ま「だってうらたさんがここから出てきたとこ見てた。」

「…う」

ま「ねぇ何したの？二人で隠れて何もしてないとは言わないよね？それとも最初から一緒に隠れるつもりだったの？」

「たまたまだよ！私がここに隠れようと思ったら先にうらたさんが居て…それに何もしてない！」


まふくんの顔はよく見えないけど、きっと怪しがってるんだろうなっていうのは伝わってくる。


「お雛様がないなら私行くね」
ま「まって」

「なに…」
ま「本当に何にも無かったの？」
「何にもないよ」
ま「ならいいんだ。ごめん。行っていいよ」


なんでそんなに気にするのよ。まふくん

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