たぬきと犬とてるてる坊主と

うらたココア その1 ページ16

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2月もそろそろ終わりそうで、暖かくなってきたかな？と思い始めた今日この頃。

家の中ではトレーナー1枚でいるようになって、この前みんながにゃあにゃあ言いながら入ってたこたつも撤去した。


ま「こたつがない。」

「最近暖かくなってきたので仕舞っちゃいました。」


まふくんの絶望した顔を見た時は申し訳ないと思ったけど、このままこたつを置いておくと彼は季節問わずそこに永遠と留まり続ける姿が想像できたので、やっぱりこれで良いのだと自分の中で納得した。


なのに今日は、


「…寒い」


いつも通りの時間に起きて、布団から出た瞬間に感じた寒さ。


「最近せっかく暖かくなってきたっていうのに」


ヒートテックに、首まであるフリースを着てその上からパーカー付きのスウェット。
また真冬の格好に逆戻り。


「今日こんなに寒いならまだこたつ置いとけばよかったかな。」


あったかい飲み物を飲んで体を温めよう。
そう思って最近流行ってるなんとかムシが歌ってる曲を口ずさみながらキッチンに向かった。


「あったかいんだからぁ♪」
う「おい」

「あ、おはようご」
う「今日のどこがあったかいんだよ！」


階段を降りてる途中でうらたさんに絡まれた。


「違いますよ！最近流行ってるじゃないですか！……カメムシ…」

う「クマムシかな。Aが言いたかったのはクマムシかな。うん」

「それです！」


うらたさんありがとう！イェーイって二人でハイタッチしたら二人とも手が冷たくて、しかもお互い強めにいったから、手のひらがジンジンして痛かった。


「痛い…」

う「すまない。じゃあ、」
「？」

う「ココア作ってあげる」

「本当ですか！」


ちょうど温かい飲み物を飲もうと降りてきてたからラッキーだ。
しかもうらたさんが作ってくれる
っていうのも少しラッキーだ。


う「リビングで待ってて、持ってく」

「うん！」


今日は寒いけど、うらたさんがココア作ってくれるから心はあったかいんだからぁ♪なんてルンルンでリビングのドアを開けたら、この前までこたつがあったその場所に、震えながら座る二人の後ろ姿があった。


「何してるんですか…」

ま「確かに最近は暖くなってきてたよ。だけど、今日はどうなんだ！なんだよこの寒さは！」
あ「ま、まふくん…俺は…もう…」
ま「あんくさん！しっかり！目を閉じたらダメだよ！戻ってこれなくなっちゃう！」

「ここは雪山ですか」

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