突然の その2 ページ13
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ま「Aさん…そうなの?」
まふくんが悲しそうな顔で見てくる。
なに、これってふざけてるんだよね。
本気で演じてるのこの人達。ドアの向こうの二人も本気で焦ってる表情してたりするのかな。
そう考えたらここでもうやめようよって止めるのも勿体なくて、
「まふくん…ごめんね」
私も演じ始めてた。
ま「なんで、どうして。君は僕とこの国から逃げ出すんじゃ!」
「最初から無理だったのよ。この国から逃げ出そうなんて…でも、貴方と居た数日間。楽しかった。」
う「A。早く来い」
「分かってる」
ま「行くな!行くなよ…」
「まふくん、開けて。このドアの魔法を解いて。」
ま「…君が手を当てれば開くよ。」
私はドアにそっと手を当てる。
その間にまふくんがせっせと本棚を移動する。
「開けて。うらたさん、あんくさん」
あ「…開けるよ」
ゆっくり目の前の扉が開く。
その先には二人が立っていて、私を見て「ご無事で何よりです」って声を合わせて言う。
ま「Aさん。僕はまた君をさらいに来るよ。いつか、本当にここから抜け出そう。」
「まふくん…」
うらたさんが私を自分の方に引っ張る。
うらたさんの顔を見ると左右に顔を振る。
あぁ、もう行ってはいけませんって言ってるんだ。
あんくさんの顔を見ると本当に心配してたよって顔をしてる。
「私…」
どうしてこの国を逃げ出そうなんて思ったんだろう。二人に心配かけてまで…
「もう行けません。」
まふくんの顔をじっと見て言った。
ま「そっか。まぁまた気が変わったら言ってよ。すぐに向かいに来る」
あ「…ふ…ふぁっくしょん!」
ま「あー!あんくさん!」
う「場所をわきまえろ!」
あ「だって…さっきからずっと我慢してて…」
あんくさんのくしゃみで終わった意味のわからない演劇。
なぜか沸き上がる達成感。
ま「本当だったら僕と君がこのまま抜け出して幸せに暮らしました。めでたしめでたしって終わるはずだったのに!」
う「俺と幸せになりたかったんだよな?」
あ「ちがうよ!この俺だよ!」
「そんなことはどーでもいい!…けど、楽しかった。最初はなんだこれって思ったけど、すっごく楽しかったよ!ありがとう!」
あ「う、笑顔が眩しい…」
う「今日寝てるところさらいに来ようかな。」
ま「もう一回部屋に閉じ込め…」
数時間前まで熱を出して寝込んでたなんて嘘みたいで。
なんか知らないけど参加させられた演劇はとても楽しいものだった。
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性別(プロフ) - すっごい面白いですね!スプラトゥーン!!!…持ってない。 (2017年2月26日 14時) (レス) id: ce08871b3f (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメルとジュリエット(プロフ) - わわ!めっちゃキュンキュンしましたー!!ヤバイですもー、みんな可愛すぎる!ホントはもっと続いてほしかったなぁって…すみません、勝手に。でも、凄く凄く面白かったです!また、次の機会とかにこういう系書いてください!お願いします!ずっと応援してます! (2016年1月1日 11時) (レス) id: 82afe0cbdd (このIDを非表示/違反報告)
き り こ(プロフ) - りるれろさん» ずっと更新してなくてすみませんんんm(_ _)m最近ネタも切れてきてしまいめっちゃふざけてる感あるんですが、そこは許してください 笑 まふくんの可愛さを全開に出していけるように頑張りますね! (2015年6月6日 1時) (レス) id: b6e442a88e (このIDを非表示/違反報告)
りるれろ(プロフ) - 更新再開されてとてもうれしいです!!いやーまふくんかわいいですね(( (2015年6月5日 21時) (レス) id: a1515c8a0b (このIDを非表示/違反報告)
はいね。(プロフ) - かんかんさん» コメントありがとうございます!!本当ですか!そう言って頂けると嬉しいです(((o(*゚▽゚*)o)))ですよね〜こんな生活送りたいですよね!これからも妄想全開で書いていくんでよろしくお願いします!笑 (2015年3月31日 23時) (レス) id: b6e442a88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:き り こ | 作成日時:2014年12月21日 21時