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-過去-
女が狂ったように私の目の前で笑っている。
怖くて動けなかった。
「あなた、ジョングクに良くしてもらってるんでしょ？」
「え、えっと…は、はい」
良くしてもらってる、の基準は分からなかったが「違います」と言うのも違う気がした。
すると女はかがんで私の胸ぐらを掴んだ。
「良い気になってんじゃないわよ！
遊ばれてるって分からないわけ！？！」
あ、この人はジョングクの彼女なのだろうか。
なぜか冷静にそう考えている自分が笑えた。
「ジョングクは今とても大事な時期なの！
気晴らしなのよ！気晴らし！！分かる！？！」
「はい…」
私は自分でも驚くほど間抜けな声を出した。
さらに女の顔は変に歪んでいく。
「彼に本気になるなんて、バカみたい」
その瞬間に私は涙をボロボロに流した。
きっと図星だったのだ。
私は心の中でいつも思っていた。
どうせ私は遊び。
本気になるなんてバカみたい。
少しでもジョングクを信じようとする自分がバカみたい。
他人から言われると、その重みが違った。
やっぱり私はバカなんだ。
私の泣いた顔に満足したのか、女はふらふらとその場から立ち去った。
私はしばらくそこから動けずにいた。
同じ早番の人が異変を感じて外に出てくるまで、私はずっと泣いていた。
「Aさんどうしたんですか！？」
後輩店員は、私の泣き顔を見て泣いていた。
きっとびっくりしたんだろう。
オロオロして泣いていた。
「ごめん、大丈夫だよ。落ち着いて」
優しく彼女の背中をさすった。
きっと私にこんなことをしてくれる人はいない。
私はこの後輩みたいに可愛くもないし。
私を好きになってくれる人なんてこの先いないかもしれない。
もし告白されたとしても、それはジョングクのように遊びの人だ。
絶対にそうだ。
その日のお店の開店は少し遅れてしまった。
自分が情けない。
ソウルになんて来なければ良かったのかも。
尻餅をついたせいでお尻が痛かった。
泣いたせいでメイクも落ちていた。
もうやる気が出ない…。
帰りたい、ジョングクが来る前に。
そう思っていた矢先、彼はやって来た。
私の顔を見ていつも笑うのに、今日は怪訝そうな顔をした。
「どうしたんですか」
「なにが？」
「…顔が死んでますけど」
彼はとても心配そうに私の顔を覗いていた。
やめてよ、そんな優しい目で私を見ないで。
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う - 最高すぎる！ (2021年8月27日 0時) (
レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした！！！最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2018年8月31日 12時
