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Jk side-過去-
俺はまた少し離れたホリデイコーヒーへ向かった。
嫌なことがあったから。
今度は俺の作ったデータをいつの間にか消されていた。
それを知った上司にめちゃくちゃ怒られた。
「あんな分かりやすいフォルダ作るからだ！」
上司はそう言って怒った。
なんで俺が分かりやすい名前のフォルダ作ってそこに入れてたの分かるんだよ。
きっとこのクソ親父の仕業だ。
だけど俺は一応まだ部下である。
だからこんな早くに後継者を発表するのを兄は嫌がっていたのだ。
すぐにボスになれるわけではないから。
それまで普通に上司が存在してしまう。
何をされても逆らえないのだ。
だから俺はただ黙って叱られた。
もういいや。
諦めていた。
色んなことを。
そしてまた仕事を抜け出してホリデイコーヒーにやって来た。
いくらこんな問題行為をしても、俺を辞めさせることだけはできないのだ。
財閥の後継者なんだから。
あの時の女の店員は別の接客をしていた。
というか怒られていた。
「なに！？私が悪いの！？」
客であろうおばさんが叫んでいた。
周りの客はドン引きである。
「なにがあったんですか」
俺はこっそりレジの店員に聞いた。
そして彼女が理不尽に怒られていることを知って、「俺と同じじゃん、可哀想に」と思った。
ムカムカしたので今日はアイスコーヒー。
いつもの窓辺の席へ向かう時、怒られている彼女をチラッと見た。
彼女の目が、とても挑発的だった。
もちろん俯いていたのでおばさんには見えていないだろう。
でも彼女は今にも泣きそうだった。
涙で目がキラキラしているだけではない。
とても怒りに満ちた目。
そして、ばしゃあ！という音とカップの割れる音。
おばさんが彼女に飲み物をぶっかけたのだ。
その瞬間、彼女の目がさらに輝いていた。
「クソババア」と言っているような目。
泣いているのに。
震えているのに。
俺はどうだろう。
いつも理不尽に怒られて、嫌がらせをされて。
あんなに怒っていただろうか？
いや、俺はいつも諦めていた。
「仕方ない」「もういいや」と。
俺はいつも死んだ目をして、自分を押し殺していた。
きっと俺に嫌がらせをしている奴らなんて、簡単にひねり潰せるのに。
俺は彼女の怒りに満ちた目を見てドキドキした。
なんて力強くて、ステキな瞳なんだろう。
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う - 最高すぎる！ (2021年8月27日 0時) (
レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした！！！最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2018年8月31日 12時
