冬眠1 : JK

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Jk side


飛行機が動き出す。

隣に座っていたユンギヒョンは眠っていたらしく、びくりと体を揺らして起きた。


「ヒョン、離陸しますよ」

「……おまえ、あれで良かったのか」

「はい。満足です」


満足。

そうだ。


大好きだったAと両想いに、夫婦になれた。

彼女が俺を愛してくれた。


それだけで俺はもう満足。



そろそろAを自由にしてあげなくちゃ。

きっと今頃起きて驚いてるだろう。



昨日の深夜、Aが眠ってからユンギヒョンを呼び戻した。

そして催眠を解いたのだ。


俺のことを嫌いだった時の記憶が戻っているはず。

もう、俺のことを好きではないはずだ。


これでAは自由だよ。


今までごめんね。

無理やり、俺を好きになってもらっちゃって。

迷惑だったよね。


今、Aは全てを思い出して怒りに震えているかもしれない。


だけど俺はもう、Aの元から消えるから。

安心してほしい。



俺は韓国に帰るよ。

跡を継ぐためにも。

やっと決心がついた。


Aとの思い出を糧に頑張ろうと思う。


俺がしたことは許されることじゃない。

わかってる。


いつか、遠い未来で償いができたら…。


自分の全財産の三分の一はあの部屋に残して来た。

カードと「使ってくれ」と書いた手紙を置いて来た。



きっとあれだけあれば、何十年も仕事をせずに生きていけるはずだ。


そのお金を使って幸せになってね。

最後まで自分勝手でごめんね。



「グガ、泣くな」

「…泣いてません」

「……あっそ」


ユンギヒョン、ありがとう。

俺のわがままに付き合ってくれて。


Aも。


ありがとう。


昨日の夜、Aが言ってくれた言葉。

幸せだった。

もう一生分の幸せをもらった。


だから俺は……。




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See You Next Time!


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