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ジミンからのカトク。
〈どうしたの?大丈夫?〉
〈ねえ、返事して〉
〈金曜、ミナとあのカフェで待ち合わせしてたのに来なかったんだって?〉
〈もしかして、旦那にバレた?〉
〈軟禁なんてされてないよね?〉
さすがジミン。
あながち間違っていない。
わざわざ韓国でいるのにこんなに心配してくれるなんて。
じわりと涙が浮かんだ。
でもここで泣いたらきっとジョングクが内容に興味を持って覗いてくるだろう。
どう返信するか悩んだ。
なんと返せばいいだろう。
下手なことを書いたらいけない。
私の記憶が消された後に色々面倒なことになりそうだ。
震える手でやっと打ち込み、送信した。
〈私は大丈夫だよ!〉
〈返信遅れてごめんね〉
こんなことしか返せなかった。
ミナとの待ち合わせに行けなかった事も、説明するべきか悩んでやめた。
どうせ記憶は明日なくなる。
そして引越しをするはずだ。
記憶を何かの拍子で取り戻さないように。
今度はどこへ行くんだろう。
ぼんやりしている間にユンギ先生は立ち上がり「明日の朝また来る」と出て行ってしまった。
部屋で二人きり。
ある意味、最後の日。
今の私にとって、最後の思い出になる日。
いつかまた思い出せるだろうか。
今度こそ、お互いに年をとって死ぬまで一緒に夫婦としていられるのだろうか。
「…A」
「なに?」
「ごめん」
「…いいんだよ。今更」
今さら謝られても。
どうしていいのかわからない。
だって私は今もジョングクが好きなんだから。
「ねえ、最後にお風呂に入りたい」
「いいよ」
「一緒に入ろう」
「ん」
久しぶりに私の拘束は外された。
手首と足首が変な感覚。
ゆっくりとしか動かせない。
よたよた歩く私を軽々と彼は抱えた。
バスルームに到着すると、早々と彼は服を脱ぐ。
私もゆっくりではあるが服を全て脱いだ。
久しぶりのシャワーに体が歓喜する。
少し冷たいけれど、彼と抱き合っているせいで平気だった。
「グク、あったかい」
すりすりと厚い胸板に頰を寄せる。
いい匂い。
彼の匂いが大好き。
「…A」
「なに?」
「まだ俺のこと好き?」
「うん」
「好きって、言ってくれる?」
「あはは、何回でも言ってあげるよ」
私は彼にたくさん好きと伝えた。
「貴方のサラサラな髪が好き」
「貴方の声が好き……」
「貴方の全てが好きだよ」
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時