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朝早くに私たちは電車で大邱へ着いた。
1番の観光名所である大邱タワーは完全に見たことがあった。
私は釜山ではなく大邱で生まれ育ったんだと悟った。
自然と涙が出そうなくらい、懐かしかった。
大邱の中心部を2人でフラフラ歩く。
懐かしかった。
見覚えのある風景ばかりだった。
「A、やっぱりここは覚えてるの?」
「うん。すごく…」
「じゃあAは大邱出身なのかな」
「そうじゃないかな」
あ、あのお店、入ったことがある。
子供用雑貨を取り扱っているお店だった。
私はあそこに売られている値段の高いおままごとセットをとても欲しがっていた記憶がある。
頭がグラグラして、割れそうだった。
あらかじめ買っておいた水で薬を飲んだ。
「A、大丈夫?顔色悪いけど」
「うん。ただの頭痛。鎮痛剤飲んだから大丈夫」
「じゃあ少し休憩しようか」
「そうだね、そろそろお昼だし」
「じゃああそこでランチしよう」
私たちは近くにあったカフェに入り、昼食をとった。
韓国の本屋でなんとなく買った、ソウルの観光雑誌を眺める。
私はソウルにも懐かしさを覚えた。
「私、もしかしたら大邱で生まれ育って、大人になってからソウルに行ったのかも」
「まじで?どうしよう、釜山じゃなくてソウルに行くべきだったかな」
「ううん。〇〇小学校に行けて、私がいなかった事実を知れたのは大きい成果だよ」
「そう?大丈夫?なんか、自分の今までが、一気に不明瞭になっちゃって」
「うん…。大丈夫。なんとなく、そんな気がしてたって言ったでしょ」
「あ、うん…」
「やっぱりか、って感じに近いかな」
頭をマッサージしながらドリンクを飲んだ。
アイスコーヒーにした。
頭痛にはコーヒーも良いって、ネットに書いてあったから。
「これからどうする?A」
「ね…大邱も広いもんね」
「うん…。来てみたは良いものの」
「ほんと」
2人で苦笑いする。
帰りの飛行機の時間までまだ何時間もある。
帰りは私1人だ。
ジミンはそのまま3ヶ月、韓国に残る。
少し不安だった。
帰ってから相談相手がないいんだもの。
「ねえ、ジミン。やっぱりカトク交換しない?」
「いいけど、バレないかな」
「私の方で、女の子の名前で登録しておく」
「なるほど」
彼は笑いながらカトクを交換してくれた。
これで少しは安心だ。
さて、これからどうしよう。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時