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パスポートはしっかり持った。
ユンギ先生からもらった薬も多めに持った。
わざわざ外まで見送ると言ってくれたジョングク。
カフェまで来た時のためにミナはカフェで待機済みである。
でも彼はそこまでしなかった。
「じゃあ、行って来るね」
「うん」
「ちゃんとご飯食べてね」
「カップ麺でしのぐよ。あとコンビニと」
「野菜もちゃんと食べてよ?」
「うん。野菜スティック買う」
「あはは、そうして」
意外にもあっさりと彼の元を後にした。
何度か振り返ったが付いて来ることは無かった。
警戒しすぎている自分に腹が立つ。
自分の旦那様を信じられないなんて…。
「あ、A!」
「ミナ!」
カフェの前でミナが待っていた。
ジョングクが来ていないことに少しがっかりしている。
「Aの旦那さん、見たかったな」
「いつかうちに遊びに来てね。ほんとにありがとう」
「ううん。ジミンは中にいるよ」
「わかった」
「じゃあ、気をつけて!」
「ありがとう!」
ミナはそのカフェで買ったであろうコーヒー片手に帰って行く。
彼女も家からここまで近いらしい。
ミナには本当に感謝しかない。
彼女の優しさを思うとじわっと涙が出そうになった。
いつもの席にジミンは座っていた。
おしゃれな格好で、ボロボロのキャリーケースを横に置いて読書している。
「おまたせジミン」
「あ!おはよ!旦那は来た?」
「ううん。さすがに大丈夫だった」
「ならよかった!パスポート持った?」
「うん!」
「忘れ物ないよね?」
「たぶん!大丈夫」
「よし行くか」とジミンは嬉しそうに立ち上がった。
ドキドキして心臓が破裂しそうだった。
そして今更、旦那以外の男性と二泊三日の旅に出ることが怖くなって来た。
もちろんホテルの部屋は別々だけど…。
でもやっぱり後ろめたいし。
ジミンは小柄だけど筋肉はついている。
もし何かされてもきっと抵抗できない。
「A、不安?」
「えっ!?あ、私そんな顔してた???」
「なんか静かだから」
「ちょっと緊張してるだけ…。初めてだから、韓国」
「そっか」
そう、記憶にはない韓国。
生まれ育った国。
ちゃんと韓国語を話せるのに、韓国の記憶がないなんておかしい話だ。
「はあー、俺も久しぶりだから楽しみだな」
「ミナにお土産買わないと」
「そうだね、なにがいいかな?」
私たちはタクシーで空港に向かった。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時