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「はーーあ、仕事するかなぁ」
そう言ってジョングクはすくっと立ち上がった。
「頑張って。じゃあ私は洗濯物でもしちゃうね」
「うん。なにかあったら言ってね」
「わかってる」
なにかあったら、なんて。
なにも起こるわけないのに。
きっと私がまた具合が悪くなってしまったりすることを気にしてくれているんだろう。
「A」
低くて少しだけ小さい声で呼ばれた。
振り返ると同時に覆いかぶさってくるジョングク。
ぎゅっと抱きしめられる。
彼の体重のせいでよろけてしまう。
「重いよ」
「んー?」
「ちょっと!」
わざと彼は体重を私にかけてくる。
立っていられなくなりそうで、バシバシ背中を叩くと彼は声を出して笑った。
「よし、じゃ、頑張ってくるね」
「うん。飲み物あとで持っていくね」
「ありがとう」
「いつも通りでいい?」
「ん、よろしく」
いつも通り、とは、コーラのことである。
コーヒーとか紅茶じゃないのが子どもっぽくて可愛らしい。
…彼は何歳だっけ??
思い出せない。
あれ、何歳…
でも、誕生日は毎年祝っている。
年齢が、不確かな感じがする。
知っているはずなのに思い出せない。
たまになるのだ。
今だに記憶が曖昧になってしまうこと。
まだ体は本調子ではないみたい。
同い年、だったよね?
そんな気がする。
うん、確かそうだ。
あれ、私は、何歳だっけ…。
「…A?」
「…」
「A!大丈夫?!」
「っ、あ」
気がつくと彼が青い顔をして私を覗き込んでいた。
「ごめん、ぼーっとしちゃって。大丈夫、ちょっとまた…」
「何か、思い出したの?」
「逆。私と貴方の年が思い出せなくて」
「………俺もAも今年で23だよ」
「そっか!ごめんね」
「ううん」
ちょっと間があって、彼も考え込んでいたということは彼もちょっと忘れてしまってたのかな。
たしかに年齢なんてどうでもいいものね。
私もあんまり考えないようにしよう。
変に考えるせいで具合が悪くなるんだ。
「じゃあ俺、部屋いくね。A大丈夫?俺の部屋に来る?」
「ううん!邪魔になると悪いし、今日は無理せずゆっくりしてる」
「そうしな。買い物も一緒に行こ」
「ありがとう!」
なんて優しい旦那様なんだろう。
今度は私から抱きついた。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時