冬眠1 : JK

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ジミンの考えた計画はこうだ。



・来週、ジミンの友達の日本人の女の子、ミナにこのカフェで会う。

そして私とミナ、2人で写真を撮る。


・ジョングクには

「このカフェに毎週通う理由はミナとおしゃべりするためだった」

「ミナと沖縄旅行に行きたい」と告げる。


・その時、来週撮る写真をジョングクに見せて「日本人の女の子の友達」という安心感を持たせる。


とのこと。



こんなので上手く行くのだろうか。

たしかに韓国は全く関係していない内容だ。

でも私を二泊三日もさせてくれるんだろうか？

彼ならきっと良い顔はしない。



「ダメそう？」

「わからない、やってみないと」

「それには入念に設定を作っておかないとね！」

「そっか、何か探りを入れられてバレちゃうかもしれないものね」

「うん！しっかりAとミナの関係性を設定付けしよう」



そうして私とジミンはその日2時間かけて架空の関係を作り出した。


ミナは韓国に興味がある大学生で、私を見つけて声をかけてきた。

同い年だったため仲良くなって、このカフェで毎週水曜日はおしゃべりしている。

たまたま沖縄旅行のツアーチケットをミナが手に入れたが、せっかくなので私と行きたいと誘ってくれた。


「A、しっかり設定覚えた？」

「うん！大丈夫！」

「じゃあ来週、ミナを連れてくるからね」

「わ、わかった」


普段は同じマンションに住む女性としか交友がない私にとって、同い年の女性と会うのは初めてのことである。

今からドキドキしていた。


「大丈夫だよA。上手く行くよ」

「そうだよね…」

「最終手段は泣き落としだよ！」

「泣き落とし…」


たしかに彼の前で私は泣いたことがないかもしれない。

2人で感動する映画を見ていても、なんとなく人の前で泣くのは恥ずかしくて我慢してしまう。


彼が仕事中にドラマで感動したらこっそり泣く程度。



「優しいんでしょ？旦那さん」

「うん。とっても。たまにイタズラしてくるのはちょっと困るけどね」

「どんな？」

「なんか近くから猫の鳴き声がするなって思ったら、旦那が猫の鳴き真似してたの」

「あはは、A気づかなかったの？」

「そうなの。全然気づかなくて。
部屋の中をキョロキョロして猫を探す私を見て彼、笑うのをずっと我慢してたの」

「おもしろい人だね」

「ほんと、こどもっぽいんだから」


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