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次の水曜日になるまで私は落ち着いて生活できなかった。
韓国へ行けるかもしれない。
妙にそわそわする毎日だった。
「A生理?」
「えっ、なんで?」
「なんか最近様子が変だから…」
ジョングクにもそんなことを言われた。
生理は一週間前だったけど、とりあえずそのせいにして水曜日まで誤魔化した。
「おまたせ!待った?」
「ううん、全然」
嘘だ。
本当は30分前に着いていた。
ジミンは「そっか」と言っていつも通りコーヒー片手に席に座った。
「あー、疲れた。今日なんか暑いね」
「うん、そうだね…」
なかなかジミンは韓国行きの話をしてくれない。
いい案があるって言ってたのに…。
もしかして、そこまで本気じゃなかった?
こんなに気にしていたのは私だけ??
モヤモヤしている私の目の前に、雑誌のようなものがポンと置かれた。
それは日本の雑誌だったが、漢字が読めてハッとした。
その雑誌の表紙に大きく「韓国」と書かれている。
「これ、近くの本屋にあった観光雑誌」
「そうなんだ…」
「結構、釜山について詳しく書いてあるみたいだから買ってみたんだ」
「どう?見てみてなんか思い当たる所ある?」
「……ううん、特には」
パラパラとめくってはみたが、どの光景にも思い当たる節はない。
むしろソウルの写真を見るとモヤっとした変な気持ちになった。
慌てて雑誌を閉じる。
「それで、韓国に行く話だけど…」
「!」
やっとジミンが話してくれて思わず姿勢を正した。
「A、パスポートは持ってるよね?」
「うん。もちろん」
「そっか、なら大丈夫か」
パスポートはちゃんと[大事なもの箱]の中に2人分しまってある。
異国ではそれが身分証明書となるから、絶対に無くさないように鍵付きの可愛い箱に保管してある。
もちろんその箱も「Aが好きそうだから」と出かけていたジョングクが買ってきてくれたものだ。
「日本人の友達と沖縄に旅行って、嘘をつけばいいと思って」
「沖縄?日本人の友達?」
私には日本人の友達すらいない。
言いづらいけど…。
「大学のさ、女の子の友達に話し合わせてもらえる。
多くは話してないけど、訳ありって言ったら協力してくれることになって」
「そうなんだ…」
「大丈夫、ほんと良い人だから」
「で、その子と私は友達のフリをして沖縄に行くって嘘つけばいいの?」
「そう」
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時