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久しぶりにジミンに会う日。
楽しかった箱根旅行のお土産を持って行く。
怪しまれないようにジョングクには自分へのお土産と言ってごまかした。
私も彼も自分へのお土産だらけになってしまった時にふと思った。
私の友達って、いたんだろうか?
今まで気づかなかった自分が馬鹿みたいだ。
カトクなんてジョングクとユンギ先生しか登録していない。
記憶がなくなったとしても、友達がいなくなる?
私の友達たちは、私が記憶を失ってから私に会いに来てくれたり、連絡してこないわけ?
なんで今までそんな大事なことに気づかなかったのか。
こうしてお土産を選ぶ機会なんてなかったから…
生まれ育った韓国ではなく、私が今生活しているのは異国だから…
全然気にしたことが無かった…。
ジョングクは父親に送るんだと何個かお土産を買って、韓国に発送していた。
自分の両親がいないということは聞かされている。
私の記憶がなくなる原因になった事故で、私の両親は亡くなっていると。
父方の祖父母はすでに他界していて、母方の祖父母とは絶縁状態だったらしい。
私は彼に自分の家庭の話をするのを嫌がっていたと、2年前に知らされた。
だからお土産を買う家族もいない。
とても悲しかった。
だからジミンへ買うお土産はとても楽しく選べた。
相手が喜んでくれるような物を必死に考えて探した。
今まで体験したことのない幸福感だった。
すぐに渡して、開けてもらいたい。
ジミンはどんな反応をするだろう?
お土産はラスクと化粧水だ。
ジミンがジョングクのように肌をいたわっているのを知っていたから。
「おまたせ」
「ジミン!」
静かなカフェの中で私は大きな声をあげてしまった。
ジミンはちょっと驚いてから「楽しかった?」と聞きながらいつもの隣の席に座った。
「すごく楽しかった。温泉もとっても良かったよ」
「へえー近いし、俺も友達と今度行こうかなぁ」
「うん!観光名所たくさんあるし、近くなのにすごく遠くまで行った気分になったの」
「今日は本当、いつもより元気だねA」
困ったようにジミンは笑う。
さっそく彼にお土産を渡すと、買ってくると思わなかったらしくとても驚いていた。
「え、いいの?めっちゃ嬉しい。ありがとう」
「全然!お土産買う相手なんていないし」
「友達は?」
「いないんだ」
「いないって…」
ジミンはまた、困ったように笑って首を傾げた。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時