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目の前の毛糸を指に絡める。
現在編み物中だ。
今年の冬に向けて、ジョングクのためにマフラーを編んでいる。
彼のリクエストで紺色と青にした。
編み物は初めてではない。
たまにハマる。
今年の春先もあみぐるみを作っていた。
だからマフラーなら自信がある。
ちょっと凝ったデザインにしよう。
「また作ってる」
「あ、グク。おかえり」
「ただいま」
近くのコンビニにアイスを買いに行っていた彼がいつのまにか私を見下ろしていた。
すでにアイスは半分無くなっている。
「めんどそう。なんでこんなの作る気になったの?」
「うーん、私暇だし。それに好きな人にはなにかをプレゼントしたくなるものでしょ」
「ふぅーん」
大きな目をクリクリさせながら彼は私の隣に座り、寄りかかってきた。
さりげなく私の太ももを撫でている。
「はい、これAの」
「えっ!買ってきてくれたの?ありがとう」
頼んでいないはずなのに、私の好きなチョコレート菓子を袋から取り出した。
「グクありがとう」
「好きな人にはなにかをプレゼントしたくなるものでしょ」
私がさっき言った言葉。
彼は悪戯っぽく笑った。
「そういえばA、誕生日、何か欲しいものある?」
「うーん、突然言われてもパッと出ないなあ」
もうすぐ私の誕生日だ。
23歳になる。
去年は大きなウサギのぬいぐるみだった。
ベッド脇に置いてある。
彼が仕事で忙しくて、私の相手をしてくれない時にはそのウサギを抱きかかえて読書したりテレビを見たりする。
あ、そうだ……
「あの、引かないでね」
「え?なに?欲しいもの?」
なになに??と彼は面白そうに私に顔を近づける。
「えーと、赤ちゃんが欲しい、なぁ、と、思って…」
自分から言うのって、なんでこんなに恥ずかしいんだろう。
俯きつつも視線を彼の顔へ。
彼はきょとんとしている。
でもそれは一瞬だった。
「欲しい!!!俺も!!」
彼がソファから飛び上がって喜んだ。
よかった、変な反応されなくて。
顔をいつものようにふにゃふにゃしてい私に抱き着いてくる。
「…でも、A体は大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。記憶がなくても関係ないよ」
「そうだね。ありがとう」
「すぐにとは言わないけど、そろそろ作っても良いんじゃないかなって思ってて…」
「すぐにでもいいよ!!」
彼は場所も気にせずに服を脱ぎ出した。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時