［怪盗キッド］海の上で、この世で一番のマジックをあなたに。 (ページ27)

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25話ページ27

扉が、ガチャっという音を立ててあいた。
男が銃を構えて入ってくる気配がする。

私達は、あの状態のまま。
丁度扉の横にいて、思いきり開けられた扉のおかげで、男からは死角になっているようだった。

快斗が、私を捕まえていない、空いている方の右手を構える気配がする。

でも男は、部屋を一瞥すると、すぐにでていってしまった。
こんな甘い空気に包まれてて、よく気がつかなかったな…？

ドア越しに声がする。

男B「いませんでしたぜ？」

男A「時間もないことだ。いちいち奥まで確認する必要はないだろう。」

私達は、ほっと息をついて、
私はするりと快斗の腕から抜けた。

A「あ、ぁの…///な、なんで？」

快斗「ふっ。奴らにもし見つかったら、睡眠ガスばらまこうとしてたけど、そんなことする必要なかったな。」

あ、快斗が構えたのって。

A「そ、そうだったんなぁ、ぁ～！！///で、でも、ぁっ…んーと、どうして？？」

か、噛むな私！！

快斗「ぇぁ///その、俺たちも睡眠ガスを一緒に吸ったら、捕まっちまうだろ、
だから、その、く、口を塞げば大丈夫かな…ーと///
ばっ…！！変な意味で考えんなよ⁉」

A「あ、そういうこと…。」

沈黙。

そして、不意打ち。

快斗「お嬢様がして欲しいのであれば、私が今いたしますが？」

はぁっ！？

A「……ばかぁ///」

なんでこういう時にだけキッドになるのよ。
意地悪ぅ…///
そのポーカーフェイス、無駄にかっこいいんだから！

でも、私はしばらくして気付いた。
キッドの白い服がどんどん赤く染まるのを。

A「…ぃっ。」

快斗「くそ、さすがにハンカチじゃもう限界か。」

私の血で、カーペットまでみるみる染まっていく…。

その瞬間だった。
部屋の扉がガチャガチャと音を立ててあいて…
入ってきた人物は、座り込んでいる私達を上から見下ろした。