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「あーあー、聞こえているかい、このカメラの持ち主よ。私は私立探偵、神津Aだ。君は一体何者だ？ただの須貝駿貴のストーカーか？それとも……―――この一連の事件の、真犯人か？」
「は……？」
この一連の事件の、真犯人？なんだ、それ。そんなの聞いてないぞ。じゃあなんだ。川上の件も、福良さんの件も、河村君の件も、全部繋がっているとでも言いたいのか。この、盗撮も。
返答はもちろん無い。そりゃそうだ。向こうと繋がっているとは言え、殆ど一方通行の状態。こちらからいくら話し掛けたところで、向こうから反応が返ってくるわけがない。
「……まぁ良い。最後に一つ、君に忠告しておく」
一瞬、左手を徐に腹部に添えた神津の顔が、歪んだ。でもそれは一瞬のことで、すぐに不敵な笑みを浮かべると、彼女は吐き捨てるようにカメラに向かって言葉をぶつけた。
「―――君の好きなようには、絶対にさせない」
その言葉を最後に、神津は持っていたゴープロを思いっきりフローリングに叩き付けた。デカい音を立てて破片が飛び散らせるカメラだったものを、見下ろす。俺の足元にまで、黒い破片は飛んできていた。
顔を上げる。これで一先ず一件落着か？なんて彼女に確認しようとすれば、フラフラと脚立から降りた彼女は、腹部を押さえて俯いていた。彼女の様子が可笑しいことは一目瞭然だ。
「ちょ、どうしたんだよ神津」
「……すま、ない……ちょっと、貧血だ……」
体から力が抜けたように、俺の方に倒れ込んでくる神津を抱き止める。よく見ると今日買ったばかりの新品の服は赤く染まっていて、彼女の息が荒いことも、ここまで近づいて漸く分かった。
「っこの馬鹿……！傷口開いとるやんけ！今病院連れてくから、ちゃんと掴まっときや！！」
「……うっす……」
服が血で汚れるなんてこの際どうでもいい。急いで彼女を背中に背負って、靴をひっかけて、鍵も掛けずに俺は家を飛び出す。
―――最初は、彼女がどうなろうとどうでも良かった。探偵なんて、正直馬鹿馬鹿しいなんて考えていた。
だけど気付けば俺は、自分のことを全く話そうとしない彼女を背負って、こうして病院まで走っている。その事実が、自分でも、どうしようもなく不思議だった。
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白菜(プロフ) - 河良紅好さん» ご報告ありがとうございます！助かりました！早急に修正させて頂きます！ (2020年6月16日 22時) (
レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
河良紅好(プロフ) - はじめまして、陰ながら白菜さんの作品を楽しく拝見させて頂いてます。大変失礼ですが、事件No.5の2ページ目の｢マーキング｣が｢マーケティング｣になっていました事をご報告させて頂きます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: a18b40da37 (このIDを非表示/違反報告)
るーと - この作品を読むのが最近の密かな楽しみになっています。ご無理をなさらない程度に更新頑張ってください！これからも楽しみにしてます！ (2020年6月12日 21時) (レス) id: 300feac1d8 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 遅ればせながら新作ありがとうございます…！ Twitterで設定をお見かけして以来ずっと心待ちにしておりまして、余りのことに学校滅ばねえかなとまで考えておりました。早速背筋の凍るような展開にゾクゾクしております、更新頑張って下さい。 (2020年6月11日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 占ツクを開くたびに更新されてないかなーって確認するくらい更新とても楽しみに待っています！更新頑張ってください！ (2020年6月11日 16時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
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