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「お前絶対元脱獄犯じゃん」

「褒め言葉として受け取っておこう」



 後日。冗談ではなく、本気で宣言通り待ち合わせていた病院近くのカフェにやって来た彼女は、ちゃっかり病院服から新品の服に着替えており、領収書を俺に渡してきた。一応俺の財布に気を遣ってくれたのか、一着一万円とかするものは特に無かったが、だとしてもちゃっかりしすぎだろ。

 本人曰く、今金無いねん許せ、とのこと。いやまぁいっつも後輩に飯奢らせてるあんたが金持ってるとは思ってないけどさ。一言許可を取れ。



「さてさて、私のタイムリミットは昼までだ。さっさと行くぞ須貝駿貴よ」

「いい加減呼び方変えろよ」



 昼までがタイムリミットなのは恐らく昼食が運ばれてくるからだろう。どうやら彼女は本当に病院を抜け出してきたらしい。
 手の甲を覆うように血が滲み始めたハンカチをくくりつけているのも、無理矢理点滴を引き抜いてきたのだろう。執念深いというか、行動力の鬼というか、なんというか。


 そんな彼女と共に会計を済ませたカフェから出て、俺達は早速、俺の住居が入っているマンションに向かって歩き始めた。

 あんなことがあった後じゃあ、俺の後ろに隠れながら歩いたりとか、怯えた様子を見せるのかと思ったが、彼女は全くそんなことは無かった。
 寧ろ久々の外に彼女は楽しそうに俺の一歩先を行っており、時折はしゃぎすぎて刺された腹部の痛みに呻いている程だ。ほんと元気だな。



「怖いとかないの?」

「怖いなんて感情は特に無いな。以前はあったのだろうが、如何せんこういう職業だ。今更刺された程度で恐怖など感じない。まぁでも強いて言うなら……やーたくに心の内を見透かされた時が、一番怖かった」



 急に声のトーンが落ち、顔に影を差した彼女からは、嘘を吐いているようには感じなかった。ここまで彼女の表情を崩すなんて、一体河村君は彼女の、何を見透かしたんだ。








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白菜(プロフ) - 河良紅好さん» ご報告ありがとうございます!助かりました!早急に修正させて頂きます! (2020年6月16日 22時) (レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
河良紅好(プロフ) - はじめまして、陰ながら白菜さんの作品を楽しく拝見させて頂いてます。大変失礼ですが、事件No.5の2ページ目の「マーキング」が「マーケティング」になっていました事をご報告させて頂きます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: a18b40da37 (このIDを非表示/違反報告)
るーと - この作品を読むのが最近の密かな楽しみになっています。ご無理をなさらない程度に更新頑張ってください!これからも楽しみにしてます! (2020年6月12日 21時) (レス) id: 300feac1d8 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 遅ればせながら新作ありがとうございます…! Twitterで設定をお見かけして以来ずっと心待ちにしておりまして、余りのことに学校滅ばねえかなとまで考えておりました。早速背筋の凍るような展開にゾクゾクしております、更新頑張って下さい。 (2020年6月11日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 占ツクを開くたびに更新されてないかなーって確認するくらい更新とても楽しみに待っています!更新頑張ってください! (2020年6月11日 16時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白菜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月9日 19時

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