【鬼滅の刃】新しい隣人は、私の推しでした。2

第43話 震える声 ページ3

「お、おい、うっせえんだよ！チビめ！！」

急に割り込んできた人にびっくりしたのかイラついたのか、男が黄色い人に飛びかかった。
刹那、




ﾄﾞｶﾞｧ

「ぐぅっ！！」





投げ飛ば…された。
黄色の人よりも何倍もガタイのいい男が。




「そこで伸びてろ、クソ野郎が。」






その人は肺も凍るような冷たい声でそう言い放ったあと、くるりとこちらを向いた
暗くて顔はよく見えない。



「大丈夫？怪我ない？変なとこ触られてない？」



素早く自分が来ていたパーカーを脱いで私に着せてくれる
その人の体温からか、パーカーを着るとじんわり身体が温まっていった
さらに口から後頭部にかけてぐるりと巻かれていた布も取ってくれる



『あ、あの、大丈夫です。お腹、蹴られたとこはちょっと痛いけど…』




思っていたより声が震えていて自分でびっくりしてしまう
思わず唇を噛み締めると、彼はよいしょとしゃがみこみ、手でふわりと私の頬を包んだ


「せっかく可愛い顔してるんだから、唇にそんなことしちゃダメ。」




顔の緊張していた筋肉が弛緩され、ふにゃりとした顔になってしまった
おかげで涙腺も緩んでしまって、我慢していた涙が零れ落ちてきた




「大丈夫、大丈夫。俺がいるからね。」



背中をぽんぽんしたりさすったりしてくれる
その間に彼はサッとスマートフォンを取り出し、警察に電話をし始めた






「警察の人がこの男を引き取ってくれるって。もう大丈夫だよ。」

顔を近づけてよしよししてくれて、その時に顔がよく見えた






(善逸…くん！？！？)

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