【◇】俺らのお姫様２ (ページ9)

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「どうしてあたしなんかが良かったんですか？」

ある日の昼休み、屋上で一緒にご飯を食べていた時にずっと気になっていた質問をした。

「なんかじゃないよ。Aちゃんがよかったんだって俺、前にも言わなかったっけ？」

真っ直ぐこっちを見て微笑みかけてくれるけど、照れてしまう自分の顔を見られるのが恥ずかしくて。

さりげなく下を向いて見られないようにする。

「乃愛から毎日可愛い子がいるって聞いてたんだよね。そしたら本当に可愛くてさ…。ごめんね、こんな理由で。」

照れる先輩を見て顔が熱くなっていく。

可愛いって異性に面と向かって言われたのいつぶりだろう？
こんなに嬉しかったっけ？

「の、乃愛ちゃんと本当に仲良しなんですね。」

「あー…うん。中学も一緒だったしね。」

警戒していた気持ちもいつしか消え、どんどんと先輩への気持ちが大きくなっていくと毎日が輝いて楽しくなった。

早起きして身だしなみを整えるのも苦じゃなくて。

先輩にもっと可愛いって…もっと好きって言ってほしいって、欲が出てきてしまう。

それなのに、一也がまた人を嫌な気持ちにさせてくる。

「お前って見る目ないよな。」

大翔先輩に遠慮して、一也に送ってもらう事になってしまった夜に突然言われた嫌味。

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