【◇】俺らのお姫様２ (ページ7)

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御幸

これ以上見てらんねえ。

どうせあいつは呑気に浮かれた顔でもしてるに違いない。

「も、もう！！何言ってるんですか！」

「あはは、でも本当にそう思ってるからさ。」

嫌でも耳に入ってくる会話に何故か疲れが溜まっていく。

「ちゃんと送ってくんだよな？」

「勿論そのつもりだけど。」

「そんな！大丈夫です！！近いんで家！」

必死に遠慮してるが、やたら女慣れしている上野が優しく説得している。

胡散臭い奴だよなそれにしても。

「それじゃあ行こうか。」

「すいません、お願いします。」

こっちなんて見向きもせずに帰ろうとする二人。

薄情な奴…俺に会いに青道に来たんじゃねえのかよ。

やけにモヤモヤして息苦しいような痛いような、思い出したくなかった感覚に襲われる。

「ちょっと待て！」

考えるよりも先に今度は体が動いていて。

「俺が送ってく。」

Aの腕を掴んだまま上野を見た。

「だって？どうする？」

「えっ………じゃあ一也にお願いしようかな。」

これは上野に配慮しての選択で、勿論心の中ではムカついてるであろうA。

それでもホッとしている自分がいた。

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