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御幸
「か、一也………何?」
あからさまに嫌な顔をするAの横には、うろ覚えだが同じ学年だと思われる男が立っていた。
「お前ら今何時だか分かってんの?こんなとこでイチャついてないで早いとこ家に帰ろうぜ。」
さっきのAのこいつに向けていた顔が頭にチラつく。
それは、俺が一度も見た事がない表情で──。
「御幸の言う通り、そろそろ帰ろうか?」
「あ、はい「へー俺の名前知ってんだ。」
Aの言葉を遮り話し掛ける。
「そりゃ知ってるよ、有名じゃん色々と。」
悪い意味にも受け取れるその物言いが余計癪に障る。
「ごめん、お前のこと知らねえや俺。」
「大丈夫、これから顔合わせる事多いと思うから。ね?」
俺と話してんのにAに問いかけ、しかもそれに対して嬉しそうな反応をするA。
はは、何だよその間抜け面と言ってやりたくなる。
「因みに俺、サッカー部の上野だから。よろしく。」
「別に仲良くする気ねえよ。」
「ねえ、何でそんな感じ悪いの?」
「いいよいいよ、俺嫌われてるみたい。でもAちゃんに好かれてもらえればそれでいいから。」
吐き気を催す甘ったるい台詞に耳が腐りそうになる。
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...syokatsu...(プロフ) - まっすぐ大事にしてくれる鳴ちゃん最高です( ; ; ) (2月17日 4時) (レス) @page1 id: d0d431729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年2月15日 20時