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「Aちゃーん!」
部活終わり、一段と大きな声で呼ばれて振り返ると乃愛ちゃんがいて、周りの注目を浴びてしまっている事に気づく。
「ど、どうしたの?」
「えー!野球部のマネだったの?乃愛ね、今まで結構見に来たりしてたんだけど知らなかった!」
練習中ギャラリーが何人かいたのは知ってたけど、まさかその中に乃愛ちゃんがいるとは分からなかった。
「実はずーっとね、憧れてる人がいて。」
突然始まる恋バナにこっちも釣られてウキウキしてしまう。
「え!野球部ってこと?!」
「うん…一つ上の人なんだけど。」
「えーー!!!誰、誰?!」
乃愛ちゃんの好きなタイプってどんなんだろう。
意外と優しい倉持先輩とか?堅実な白洲先輩あたりも全然ありそうな気が──。
「……御幸先輩なの。」
「…………え?」
「御幸先輩のこと…気になってるのずっと。」
何て声を掛けていいか分からなかった。
やめた方がいいって第一に言いたかったけど、嬉しそうに話す本人目の前にそんなこと言えなくて。
「へ、へぇ。」
気をつけてるけど顔が引き攣ってる気がして、無理に笑顔を作るけど見えないから不安になる。
そんなあたしの態度を見てか、乃愛ちゃんの顔がだんだんと曇っていくのが分かった。
「…もしかしてAちゃんも好きだったりする?」
「ちょっ!!やめてよ!絶対にない!!!」
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...syokatsu...(プロフ) - まっすぐ大事にしてくれる鳴ちゃん最高です( ; ; ) (2月17日 4時) (レス) @page1 id: d0d431729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年2月15日 20時