【◇】俺らのお姫様２ (ページ19)

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成宮

「そうだけど。」

「うわー感激！！！握手して下さい！」

俺のこと分かるなんて、なかなか見所のある子じゃん。

要望に応えてあげれば勢いよく手を振り回された。

「ほら、そろそろ戻れよ。」

「はーい！今日練習終わったら会えるよね？」

「また連絡する。」

何このやり取り、まるで彼氏と彼女みたいだ。

嬉しそうに去って行く背中をボーッと見つめる。

「誰だよあの子。」

「俺の彼女。」

「はぁああああ？！？！？！」

慌てて一也の方に視線を戻すも、いつものスカした顔で。

「Aのこと好きじゃないのかよ！！」

そりゃ他の子に目移りしてくれるなんて、俺にとってはかなりラッキーな事なんだけどさ。

でも何か信じられなくて。

「好きだけど？」

平然と答えるコイツに開いた口が塞がらない。

二股？二股ってやつなの？これ。

「お前それあの子にも失礼じゃん！」

「はは、あいつ多分お前のことも好きだぜ。」

「は？」

この言葉の意味を理解できないし、一也の行動も理解できなくて頭がおかしくなりそうだった。

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