【◇】俺らのお姫様２ (ページ14)

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御幸

それからというもの──

「今日もまたあの子来てる。」

ノリの視線の先にはあのクッキーの一年の姿があった。

「いいよな、御幸は。あんな可愛い子が毎日応援しに来てくれてさ。」

「ノリお前、ああいうのがタイプなの？」

「タイプっていうか、まあ可愛いなとは思う。確かあの子って騒がれてなかったっけ？」

「全く知らん。」

可愛いと思えた相手なんて今まで一人しかいなかったから、一般的な可愛いの基準がよく分からなかった。

「あの子が来てからだよな、Aが髪下ろすようになってまた騒がれ始めたのもさ。」

言われてみればノリの言う通りだった。

「お前よく見てるな。」

「これ倉持が言ってた、御幸だけモテるなんておかしいってかなり嫉妬してたけど。」

周りをよく見てるアイツが言うんだからそうなんだろう。

「てかさ、Aって付き合ってるの？」

「誰とだよ。」

「ほら、いるじゃんサッカー部の！上野だっけ？」

そいつの名前を聞いた瞬間、Aの浮かれた顔が頭に浮かんできやがった。

「知らねえ。」

「お前ら最近全然話さないよな。」

Aを家に送ったあの日、途中で向こうが俺の言葉に怒り、走って帰ってしまったのだった。

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