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御幸
「御幸先輩!」
それは、ある日の放課後の事だった。
部活に行こうとしてると呼び止められ、振り返ると見た事がない子が立っている。
「あの、一年の森田って言います。これ御幸先輩に食べてほしくて作ったんですけど…貰ってもらえませんか?」
そう言って、取り出したのは綺麗にラッピングされたクッキーだった。
「俺?何で?」
普通に考えて、よく知りもしない奴が作った物なんて食いたくねえし、そもそも甘いの苦手なんだけど。
「何でって…その、御幸先輩の為に作ったので…。」
「悪い、甘いの苦手で俺。」
自分に好意があるのは分かるけど、正直ありがた迷惑だ。
「Aちゃんに聞いて甘いの苦手なのは知ってたんで、ちゃんと甘さ控えめに作ってきたんです。」
………あいつ、余計な事しやがって。
何だか断りづらくなったじゃねえか。
「あー…こういうの俺苦手っていうか、いきなり渡された物とか食えない。」
「あ…そ、そうですよね!突然ごめんなさい。」
「わざわざ作ってくれたのにごめん。」
食わない物を貰って後から捨てるよりも、今キッパリと断った方がいいと思い受け取らなかった。
「こちらこそ急にすいませんでした。実はいつも部活見に行ったりしてて…今日も頑張って下さい!」
「おう、ありがと。」
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...syokatsu...(プロフ) - まっすぐ大事にしてくれる鳴ちゃん最高です( ; ; ) (2月17日 4時) (レス) @page1 id: d0d431729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年2月15日 20時