08 ページ8
.
御幸
ーーなーんて思ってたら、放課後の部活の後に倉持とAが倉庫の前で話してんのを見かけた。
「今日は手を出してすいませんでした。あれから落ち着いたら、自分の行いが間違ってたと猛省しました…。」
昔からキレた後、時間が経つと冷静になって自分の行動に後悔してたよなこいつ。二重人格疑うぜほんと。
「いや、俺も悪かったし…。勝手に沢村に話して悪かった。確かにあいつ口軽いもんな。」
ここでも沢村の奴言われてるよ。哀れだなあいつも。
てか、俺も何でわざわざあいつらの話に聞き耳なんか立ててんだか。とっとと、離れるか。
「でもよ、御幸の為に青道来たんだろ?それって好きだから追っかけてきたって思ったんだけど俺。」
思わず足を止めてしまった。
何やってんだ俺、でも確かに自惚れてた自覚はある。
少なからず俺のこと想ってくれてんだろうなと。
「いや、恋愛感情とかは全くないです。」
「え!そーなの??!!」
思わず俺も倉持と同じツッコミを入れたくなった。
「一也と昔色々あって仲違いしたまま離れちゃって。でも、家族みたいに大切な人なんで。仲直りしたかったんです。」
……ふーん、家族ね。
「なら仲直りできてよかったな!…でさ!Aは好きなタイプとかあんの?」
「ありがとうございます!えっ!急にタイプの話?うーん…好きになった人がタイプかな?」
ニッコリと満面の笑みを倉持に向けるA。
頰を赤く染めながら見つめる倉持。……堕ちたなありゃ。
昔から変わらないあの笑顔、通常時で可愛いのにあれは卑怯だとかってよく周りが騒いでたな。
何故だかその様子が面白くなくて、その場を後にした。
.
56人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時