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それからすっかり鳴ちゃんとの会話に花が咲いてしまい、時計を見て絶句する。
日付が変わろうとしてるのにも気づかなかった!
『鳴ちゃんそろそろ寝よっか。』
『えーもっとAの声聴いてたいんだけど。』
『だめだよ、明日もお互い朝早いでしょ?』
『……はぁ。それなら鳴ちゃん大好きって言って。』
『鳴ちゃん大好き。』
『なんか違う!!!恋人に言うみたいに言って!!』
付き合ってないし、しかも鳴ちゃん相手に恋人のように言うなんて無理難題すぎる。
『そういうのは好きな子にしてもらいなってば!』
『だから……俺の好きな『おい鳴!よかった起きてたか!俺の友達がお前のこと紹介しろって煩くてよ。』
何やら電話の向こうが騒がしくなった。
怒る鳴ちゃんの声と友達の人のような声が交ざって、こっちの声は聞こえてない様子。
自分は邪魔だなと思って通話を終了して、横になった。
やっぱり鳴ちゃんモテるんだなあ。
今日の試合の時の鳴ちゃん、少し怖かったけど、やっぱりかっこよかったし騒がれているのも頷ける。
昔は、泣き虫で自己中でよく一也に泣かされてたのに。
思い出すと自然と頬が緩んでしまう。
久しぶりにできた過去の話。
自分のせいだけど一也との間には壁がある気がして、鳴ちゃんとのように昔話なんてできないから楽しくて嬉しくて。
幸せな気持ちのまま、いつの間にか眠りに就いていた。
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時