【◇】俺らのお姫様 (ページ45)

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御幸

試合も終わり、学校まで帰るバスの車内の色んな所からイビキが聞こえてくる。

この揺れが眠りを誘うんだよなあ…。

「……見たん……。まじ…！！！」

ウトウトしかけた矢先にヒソヒソと話す声が聞こえ、視線の先には沢村がいた。

相変わらずうるせえ奴だな。

一番に眠りそうなアイツが真剣な表情で何かを話していたが、いつの間にか夢の世界に引き摺り込まれてしまった。

「おい御幸一也！！後で俺の球を受けろ！！！」

帰ってきて早々、元気な奴だよほんと。

「今日はもう充分だろ。休め。」

「あのインコースの感覚を忘れたくねえんだよ！！」

「だーめだ！」

「ケチ！！！！もう頼まね……受けてくれたら、とっておきの秘密を教えてやろうと思ったのに。」

こいつのとっておきなんて、どうせロクなもんじゃないに決まってる。

「おーそうか、それは残念だ。じゃっ！」

「おーい！！ちょっと待てぇえええい！！！少しは気にしろよ！！！Aのことだぞ？！」

「しつこい奴だな、Aが何だよ。」

「知りたければ俺の球を受けろ！！！」

無視して去ろうとすれば、わざわざ俺の目の前に来て進行を妨害してきやがる。

「Aがシロアタマと付き合ってんだよ！！！」

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