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謝罪が出来なかった次の日、練習後にタイミングを見計らって一也に話し掛けた。
「待って!…実はずっとあの時の事謝りたくて。」
恐る恐る一也の反応を窺うも、あっけらかんとしてて。
「あー………何だっけ?」
「……え?小学生の時の引越しの事だよ!」
……ほんとに覚えてないの?
「ハハッ嘘、嘘。そんな間抜けな顔すんなって。覚えてるけど、なんでAが謝んだよ。」
…あれ?昨日は名前で呼んでくれたのに、今日は苗字だ。
「だって…!!「あん時はお互いガキだったろ。」
「でも、ずっと申し訳なく思ってて…。」
「俺がもう気にしてないって言ってんだからいいだろそれで。はい、終了〜。」
手をヒラヒラさせてその場から離れてく。
あの一件が気まずくてずっと連絡が取れずにいたのに、こんな事ならもっと早く一也に連絡してればよかった。
「じゃ、じゃあさ!昔みたいにまた仲良くできるかな?」
咄嗟に一也を追いかけて、服を掴み提案する。
「え?仲良くなりたいの?俺と?」
「うんうん!だって昔はほぼ毎日遊んでたじゃん!」
また仲直りできたらってずっと思ってたんだもん。
これを機にまた昔のように仲良く出来たら絶対に楽しいに決まってる。だって、あの頃は毎日が楽しくて輝いてたから。
「うーん…Aがそこまで言うなら……。」
あ、名前呼びに戻った!!これならきっと──…
「やだかな♡」
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時