【◇】俺らのお姫様 (ページ39)

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成宮

起きてる訳でもなくベットに横になって、こちらに背を向ける一也を見て苛立ちが頂点に達した。

「おい！！なに呑気に寝てんだよ！！！」

俺が部屋に入ってきても、怒鳴っても、何も反応しない。

「ずっとAはお前を待ってたんだぞ？！」

無視されても尚も攻撃し続けた。

「お前のAに対する気持ちはその程度のもんだったのかよ！！………いい加減何とか言えよ！」

ベットに近づいて一也の肩を自分の方へ引き寄せると、涙を流しながら俺を睨みつける一也に手を振り払われた。

一瞬その顔に驚き、たじろいでしまう。

「お前に何がわかんだよ。」

「…何が言いたいんだよ。」

「すんなりAの引越しを受け入れる事ができたお前が、どの口で俺に説教垂れてんの？」

すんなり受け入れただと？

思わずカッとなって一也の胸倉を掴んだ。

「お前こそ…引っ越すって言った時のAの表情見てたのかよ？なのに置き去りにした奴に言われたくないね。」

俺の言葉に苛立ったのか一也も俺の胸倉を掴んできた。

「うるせーよ。俺はお前よりもAと付き合いが長かったんだぞ、ぽっと出のお前に俺の気持ちが分かるもんか！！」

「あー分からないね。お前は今自分のことばっかのクソ野郎になってる。……まるで昔の俺を見てるみたいだもん。」

そう言い返すと、一也は掴んでいた手を離してヘナヘナと力が抜けたように床に座り込んだ。

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