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成宮
「何だよそんなこと…!!俺はAがいてくれたから…。」
ダメだ…笑顔で別れるって決めたのに──…。
「鳴ちゃん、ありがとう。ずっとずっと大好きだよ。また会えたらいっぱい遊ぼうね。」
ギュッと抱きしめてくれたAを抱きしめ返す。
「俺だってずーーーーっと大好きだよ!!!絶対に俺のこと忘れちゃダメだからね!!」
Aの好きは俺の好きとは多分違うけど、いつか絶対有名になって振り向かせてやるんだ。
「鳴ちゃんこれ、また絶対会おうね!!」
車の窓から渡された謎の紙。
走り出す車に見えなくなるまで手を振ってから、掌の中の紙を見ると知らない番号とメアドが書いてあった。
"この前携帯買ってもらったんだ!"
嬉しいサプライズに笑みが溢れて、また涙腺が緩みそうになってしまう。
大事にズボンのポケットにしまってから、チャリである場所へと向かった。
「一也いますか。」
朝早くから一也の家に押しかけたが出てきたのは昨日同様また父ちゃんだった。
「部屋にいると思うけど。」
「上がっていいですか?大事な話があるんで。」
一也の部屋の前まで案内され、お礼を言ってから躊躇う事なくドアを開けた。
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時