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成宮
「ごめんね、まだ帰ってきてないみたい。」
「そうですか…。」
「君もそろそろ帰った方が「あ、帰ってきたようだよ。」
勢いよく後ろを振り返ると確かに一也の姿があって、一目散に一也目掛けて走った。
「一也!!!今までどこに行ってたんだよ!!!」
一也の親が見てるのに、そんな事も考えられずに大声で怒鳴り散らした。
「どこだっていいだろ。」
「Aがずっと探してたんだぞ!!!」
「そうなんだ、お疲れ。」
何なんだよ、さっきからこいつの態度。
Aの事になるといつも取り乱してたのはお前だろ。
「明日いなくなるの知ってんだろ?」
「聞いた。」
「もう会えなくなるのに、何なんだよその態度!!」
こんなのいつもの一也じゃない。
目の前にいるのが誰なのか分からなくなりそうで怖かった。
「そんな事言う為にわざわざ待ってたのかよ。」
「そんな事…?お前!!!「さっきから聞いてりゃ、まるで自分がヒーローにでもなったつもりかよ。」
「は?俺は別に「お前が俺を探してたのはAの好感度を上げたかったからだろ?」
違う、そんなんじゃない。
俺はただAが悲しい気持ちのままじゃなくて、少しでも安心してここを離れて行ってほしかったから。なのに──
「はは…お前ってサイテー野郎だな。」
呆れ、怒り、悲しみを込めて一也へ放った。
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時