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御幸
「なあ、Aってお前のこと好きなの？」
教室でスコアブックを見ていると、前の席の倉持に話し掛けられ顔を上げる。
「いや、俺、Aじゃねえから知らねえよ。」
「昨日、沢村のバカが部屋で騒いでたからよ。お前に会いにわざわざ青道入学したらしいぜ。」
「へー。そうなんだ。」
それは初めて知った。
「へーってお前なあ…。反応薄くねえか？」
「なら、どんな反応が正解なんだよ。」
「普通喜ばね？あいつ結構可愛いし。」
……結構ねえ。
要するに、倉持は少なからずAに好意があるってわけか。
「好きなのか？Aのこと。」
「はあ？べ、別にちげーよ！ただ、可愛いって思ったから言っただけだろうが！！」
キタ図星、そして何だこいつの見事な逆ギレ。
「はいはい、そうだな。」
「ちっ…お前やっぱうぜえな。」
舌打ちし、乱暴に前に向き直る倉持の反応が分かりやすすぎて笑いそうになる。
こんな短期間で好きねえ…。
まあ、でもAが昔のままならこうやって、いとも簡単に惚れさせちまうのかもな。
「…なあ倉持、因みに俺一応、Aの元カレ。」
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作者名：おにぎり | 作成日時：2024年1月28日 22時
