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成宮
「……なあ一也。」
「なんだよ。」
俺はいつも自分の事ばかりで周りが見えてなかった。
でも、Aに教えてもらった意見を参考に生活するようになってから二人と一緒に遊んでると、嫌でも色々気づいちゃったんだよね。
「Aのこと俺にちょーだい。」
いつも一也にお菓子を頂戴と言えば絶対にくれてた。
「……何言ってんのお前。」
やっぱいつも通り、くれるとは言ってくれないよな。
「だって俺、Aのことすごい好きなんだもん。」
「何でわざわざ俺に言うんだよ。」
「何でって、一也もAのこと好きじゃん。」
ハアッと面倒臭そうにため息をつく一也。
Aのことで一也とちゃんと向き合いたくて話したのに、何も答えてくれない事に苛立ちを感じる。
「黙ってないで何とか言いなよ。」
「好きだから一緒にいんだろ。」
やっぱりそうだった。
俺相手にちゃんと認めてくれた事が嬉しくて、でも分かっていたとは言え焦りも勿論あって。
「Aには言うなよ。」
「なんで？」
「アイツも色々大変なんだよ。それに、これがキッカケで三人で遊べないって事になってもいいのか？」
何が大変なのか分からない俺にとって、また二人だけが共有している情報なのかとヘコんでしまう。
だが、一也の言う三人で遊べなくなってしまうのが嫌でAにはまだ伝えないでおく事に決めたんだ。
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作者名：おにぎり | 作成日時：2024年1月28日 22時
