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成宮
「この前はごめん。」
気まずくて、Aを見ないように顔を背けて謝った。
「ううん、全然平気！それより鳴ちゃんは大丈夫なの？」
それは俺が友達がいないって心配だから？
Aにそんな事を訊かれるのが嫌で作り笑いをする。
「何が？俺なら全然平気なんだけど！」
「ほんとに…？ほら、一也もちゃんと謝って！」
「……少し言い過ぎた。ごめん。」
不貞腐れながらでも、あの一也が頭を下げて謝ってきた。
「やだ。お前は許さない。」
「はあ？人がせっか「…冗談。許してあげる。」
「相変わらず上からだなお前は。」
久しぶりに穏やかな気持ちになれた。
ああ…やっぱり俺はこの二人が好きなんだ。
そう思っていると、Aが履いているスカートの裾をギュッとしながら泣きそうな顔になってる事に気づいた。
「よかった…鳴ちゃんともう離れ離れになると思ってすごく悲しくて。ずっとずっと心配してたの。」
話終わる頃には涙が溢れていて、俺も泣きそうになる。
ねぇ、自分の為に涙を流してくれる子なんている？
そんなの親以外にいなかったから驚きと同時に嬉しくて。
「…心配かけてごめん。ありがとう。」
我慢できなくて気づけば俺も涙が溢れちゃって。
「一也が言ってた通り…俺友達いないんだ。」
ずっとずっと守っていた自分のプライドを壊して、二人に本当の自分を曝け出したのだった。
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作者名：おにぎり | 作成日時：2024年1月28日 22時
