【◇】俺らのお姫様 (ページ26)

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成宮

「毎週、毎週俺らのとこ遊びに来るなんておかしいだろ。それに我儘だし、いつも俺らのこと振り回すし。」

恥ずかしさ、悲しさ、悔しさ、色んな感情が入り混じって顔が熱くなるのと同時に目頭も熱くなっていくのが分かる。

涙が出る前兆だってすぐに分かって後ろを向いた。

「一也いい加減にしなよ！鳴ちゃんごめ「見るな！！」

「きゃっ！！」

腕を掴んで引っ張ろうとしてきたAに泣き顔を見られたくなくて突き飛ばしてしまった。

すぐに謝ろうとしたけど、できなくて、気づけばその場から急いで逃げ出してしまった。

「鳴、お前…！！！」

「鳴ちゃん！！！！！！」

後ろから二人の声が聞こえたけど振り返れなかった。

それから、一度も二人に会いに行く事はなかった、というか、会いに行けなかったんだ。

やっと出来たと思った友達と、そして好きな子。

自分のせいで両方失う事になってしまって塞ぎ込んでいた俺はどんどんクラスでも孤立していった。

「あんな子、うちの学校にいたっけ？」

「見た事ない。か、可愛いよな。」

そんな状態が二週間くらい続いた後の事。

帰る時、下駄箱でやたらとソワソワしている奴らの会話が聞こえてくる。

もしかしてと少しの期待の気持ちを込めて校門を見ると予想通り、Aが立っていた。

嬉しい反面、これ以上自分のプライドが崩れるのが嫌でわざと裏から帰って遭遇するのを防いだ。

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