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成宮
「一也食わないの?」
「甘いの苦手なんだよね。だから一也はこっち!」
そう言って、俺とは別の袋を手渡すA。
「甘さ控えめだから一也でも食べられると思う。」
「サンキュ。」
何だか羨ましかった。
一也の苦手な物を把握してるなんて、俺よりも付き合いの長いAなら当然の事なのに。
二人の空間が出来てる事が気に食わなかったのだ。
「子供なのに甘いの嫌いなんて変わり者だな!」
だから、わざと嫌味を言ってしまう。
「お前は特にガキだから甘いのが好きなんだろ。」
「な、なんだと…!お前のがガキだ!!!」
「もう!二人ともやめなよ!」
でも、いつも口で勝てなくて結局負ける。
俺らの口喧嘩を止めるのはいつもAの役目だった。
「これ、好きだろ。あげる。」
「わー!いいの?ありがとう!!」
クッキーを貰った翌週、みんなで駄菓子屋に行った後に一也がAに苺味のチョコをあげていた。
へへーん!
お前が甘い物嫌いのくせにチョコを買ってるのを見てAにあげるって事ぐらい分かってたんだ!
だから俺だってA用に買ってあるんだもんねえ!
「A!俺もこれあげる!」
俺の大好きなチョコバナナ味のアイスを取り出した。
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時