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成宮
「あの…あたしに何か用?」
「コイツとはどういった関係なの?」
一也を指差して質問する。
初対面でいきなりこんな事言うなんておかしいって自分でも分かってるけど、訊かずにはいられなかった。
「一也とは友達だけど。」
「マジ?!そっか、そっか!」
なんだ、よかった!!!
訳がわからないといった顔で俺を見るAちゃんとは対照的に、勘のいい一也はどうやら察したらしい。
「こんな奴構ってないでさっさと行くぞ。」
「一也の知り合い?」
「そうそう!俺ら一緒に戦った仲!!友達!な?」
「はあ?お前なんかと仲良くねえし。」
もっと仲良くなりたくて強引に一也を巻き込む。
この際ムカつくけど、コイツを利用してAちゃんと仲良くなって、そしてゆくゆくは──…。
それからは暇さえあれば、この二人に混ざって俺も遊ぶ事が多くなった。
最初は嫌がっていた一也も根負けしたのか、嫌味は言うが前ほど煩くはなくなった。
それに、Aの事も呼び捨てできる仲にまでなっていた。
「これマジで美味い!!」
それは公園でいつもの三人で遊んでいた時の事。
「ほんと?!ありがとう、嬉しい!!」
Aが最近ハマってるという手作りのクッキーを貰って美味しく食べていた。
でも、どうしてか一也が食べていない事に気づく。
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時