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成宮
「あっちが先に手出してきたんだろ。」
「それは確かにあっちが悪いけど、一也もあの言い方はよくなかったよ。ちゃんと謝りなよ。」
「なんで俺が謝るんだよ!本当の事言っただけなのに。」
「野球ってチームプレイなんだから、そんな事してたら誰も一也の指示なんて聞いてくれなくなるよ。」
あの生意気な奴が大人しくなってる、やるな姉ちゃん。
自分にも姉が二人いるが喧嘩ばかりで、仮に助言なんてしてくれたとしても絶対に聞かないけどな。
なんて、思っているとその子の顔が見えた。
一目惚れってやつだと思う、時が止まるっていう体験を初めてしたのがこの時だったんだ。
「ねえ!!」
気づけば体が自然と動いていて肩を叩いていた。
「……え、誰?」
振り返ると不思議そうな顔で俺を見つめる。
その顔も可愛くて、幼いながらにこの子を自分のモノにしたいと本気で思ってしまった。
「成宮め「あ、この前の奴じゃん。」
人が自己紹介してんのに、どうして割り込んでくるのかなコイツは。
「人が話してんじゃん!!黙ってろよ!」
「A、そんな奴ほっといて早く行こうぜ。」
Aちゃんっていうのか。
あ……でも待って。冷静に考えたら、コイツの姉ちゃんを俺は好きになっちゃったって事?
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時