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成宮
初恋は幼稚園の時、同じクラスの結衣ちゃんだった。
だって可愛かったから。
でも小学校に上がると別の子を好きになった。
こうやって何回も何回も好きな子が変わっていく中で、俺はとうとう運命の子を見つけた。
小さい頃からしていた野球。自他共に認める天才児。
投げても打たれない、だから少し退屈していた。
そんな時、一也に出会った。
俺達は違う野球チームに所属していた。
でも一也の噂は流れてきてたから一応は知っていた。
一也との練習試合、どうせ打てっこないと余裕をかましていたらまんまと打たれてしまったのだった。しかも連続で。
マジかよ……コイツうざっ!!!
「何で俺の球打てたんだよ。」
試合が終わって帰ろうとしていた一也の前に立ち塞がり、不貞腐れながら訊いてみた。
「何でって…打ちやすい球だったから?」
カッチーンと自分の中の怒りスイッチが入ったのが分かる。
「はあ??!!お前生意気!!」
「次は打たれないように頑張りなよ。」
頑張れ?今、俺に向かって頑張れって言った?アイツ。
チビのくせにと一也の背中を睨んでいると、同い年くらいの女の子が一也に駆け寄って並んで歩いてるのが見えた。
何あれ…?彼女?まさか彼女??
俺はあんな奴に負けたのかと悔しくなって、自分の中で勝手に一也をライバルだと認定した。
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時