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今日はずっと楽しみにしていた他校との練習試合。
「何か嬉しい事でもあったの?」
「うん!これから起きる予定なの!!」
春乃からの質問に笑顔で答えた。
「…ん?それってどういう事?」
不思議そうな顔をする春乃をよそに、周りをキョロキョロと見渡すがお目当ての人が見つからない。
「ちょっとあんた達!!!早く手伝って!!」
幸先輩に怒鳴られてしまい結局見つける事ができなかった。
「見たか?!俺のインコース!!」
大阪桐生との試合後、沢村君がホクホクと嬉しそうに話している姿を少し離れた所から微笑ましく見ていた。
こっちまで声が聞こえてくるなんて、どんだけ大声で話してるんだろう。内容も良かったし相当嬉しいんだろうな。
「よかったね、沢村君大活躍で!」
「う、うん!すごかったよね!」
春乃と話していると沢村君に絡む二人組の姿が見えた。
間違いない、あれは──。
「ちょっとA!」
春乃の声が後ろから聞こえてくる。
気づけば足が勝手に動いて、その人目掛け走っていた。
「鳴ちゃん!!!」
息を切らし後ろから声を掛けると勢いよく振り返って、まるで幽霊でも見たかのように驚いた顔をしている。
「え……A…?」
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時