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御幸
「ほら、立てよ。」
「はーい…。」
「最後に怖い話でもしてあげようか?」
後ろから聞こえてきた亮さんの声。
もう勘弁してくれよ、とっととこいつを送ってかねえといけねえのに。
「いやっ!!大丈夫です!ほらほら一也早く行こ !」
余程聞きたくないのか、グイグイと背中を押してくる。
「てかA!!お前、漫画の八巻抜けてたぞ!」
「え!すいません!明日持ってきます!」
「おう、忘れんなよ?!」
「帰るのか、二人とも気をつけろよ。ところでA、今度一局勝負しないか?」
「哲さん、将棋分からないです…。ごめんなさい。」
「そうか…残念だ。」
「だぁーー!!!A、お前変われよ!」
「だから将棋分かんないんだって!えーもしかして沢村君じゃ弱過ぎて哲さんの相手になんないとか?」
「ちげーよ!!!雑魚す…じゃなくて!とにかく、俺は色々と忙しいんだよ!!!」
「だってもう帰るもん!またね!」
「A!……おにぎり美味しかった、ありがとう。」
「うう…降谷君ありがとう。また明日ね!」
……………………。なげえ、なげえ!!!
一生の別れでもねえのに、ただ帰るだけで何でこんなに色んな奴らから話しかけられんだよ!
「あー俺ジュースでも買いに行こうかな。おい御幸、なんならついでにA送ってくぜ?」
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作者名:おにぎり | 作成日時:2024年1月28日 22時