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「嫌な奴！！」
「今更気づいた？」
ムキーッと怒っていると見兼ねてか、倉持先輩が自分のおにぎりを手に取ってくれた。
「うわっ普通にうめーじゃんこれ。」
「倉持先輩わかってる！美味しいですよね？」
「見ろよこれ、貴子先輩の形に比べて歪過ぎんだろ。」
尚も嫌味を言ってくる一也を睨むが、確かに自分の作ったおにぎりだけ人気がないのは事実。
ただ形が悪いだけで味は美味しいのに………多分。
どうにかこの状況を打破すべく辺りを見回すと、隅の方で水分だけしか摂っていない降谷君を発見した。
「降谷君、これ食べない？」
「……いらない。」
一瞬、形を確認して断られた気がするんだけど気のせい…？
「見た目は悪いけど美味しいんだよ！ほんとに！ちゃんと食べないと体力持たなくなっちゃうしさ！」
「それならバナナ食べる。」
「一生懸命握ったのに…。」
わざとらしく落ち込んで見せて、チラッと降谷君の様子を窺うと溜め息をついて無言でおにぎりを受け取ってくれた。
ヒヒヒ、作戦成功！！
「………美味しい。」
いつも無表情な降谷君が驚いた顔をして、食べてくれるのが嬉しくて思わず笑顔になる。
「ほんと？！嬉しい！！」
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作者名：おにぎり | 作成日時：2024年1月28日 22時
