22話 ページ22
「司くん！ここの演出をもう少し大きく！」
「わかった！」
「寧々はワンテンポ早く！」
「了解」
「えむくんは、その間に移動を！」
「オッケー！！」
神代さんの的確な指示で、皆が華麗に役を演じていく。
「....凄い」
その姿に思わず感嘆の声が洩れる。
今日は、ショーの練習日。
主役の私以外の演技から固めていく、という神代さんの指示から、私は神代さんの横で皆の演技を見ていた。
練習の仕方は聞いていたけど、百聞は一見に如かずというように、実際に見た方が感動が凄かった。
「＿＿そろそろ、Aくんも合わせてやってみよう。準備してもらってもいいかい？」
「....わかりました！」
舞台に上った後、定位置に着き、無表情な顔が描かれた仮面を着ける。
神代さんが手を叩いたタイミングで、セットである階段を降りる。
「.....！王女様だ！」
「王女様！今日はこれを持ってきたんです！」
そう言って鳳さんは、私の前に果物が沢山入ったかごを差し出す。
「....ありがとう」
私は感情の無い声色でそう言い、豪華に脚色された玉座に腰掛ける。
それを見た鳳さんは落ち込んだ様子で、果物を椅子の近くの机に置いた。
「王女様、一目でいいから会いたいという人が.....」
続いて、草薙さんが私にそう声を掛ける。
「....私になんかと会ってもしょうがないわ」
そう言って、悲しい表情をした仮面に瞬時に取り換える。
私の言葉に草薙さんも顔を曇らせる。
そのシーンの最中に階段を上った天馬さんが、悲しげな声を上げる。
「＿＿＿どうしたら、王女様は笑顔になってくれるのだろうか」
「....はい、そこまで」
その神代さんの合図で、私たちは一斉に神代さんの方を向く。
「類！どうだ？」
「そうだね。細かな修正はあるかもしれないけど、ショーの形は出来ているよ。＿＿特に」
そう言って神代さんは私の方を向く。
「Aくん。期間が空いたとはいえ、素晴らしかったよ。特に仮面を取りかえる所......近くで見ていてもAくんの顔が見えなかった」
流石だ、と締めくくるように神代さんはそう言った。
「あ、ありがとうございます...！」
神代さんの言葉に、思わずそう声が出た。
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こーらふろーと(プロフ) - 麗紅花さん» コメントありがとうございます！亀投稿ですが、じっくりと待って頂けると嬉しいです！ (2022年5月30日 2時) (
レス) @page19 id: d3b8f2bb05 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 良いですね！ワンダショー（特に類君）は夢主を助けるみたいな展開でありつつ、夢主も自分の本当の思いを蘇らせる……面白い話ですね。話の展開も良いし、何より好みの話ですので続きが気になります。ですので、更新は何時までも待っています！ (2022年5月25日 21時) (レス) @page19 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こーらふろーと | 作成日時：2022年4月16日 13時
