3話 ページ3
....やってしまったとは自分でもわかっている。
『面隠しの手品師再び!?』と書かれている記事を見て、後悔した。
____もうショーはやらない。そう決めていたのに。
「そんな顔してどうしたんだよ」
「....東雲さん」
橙色の髪が特徴的な彼が、私に問いかける。
「何でもないよ、早く帰りたいなってだけ」
「それは同感だけどよ...でもそれだけじゃねえだろ?」
その言葉に動揺し、私は肩を揺らす。
東雲彰人さん。高校に入ってから、特に話すようになったクラスメイトだ。
「う、うーん...と」
「__それ、『面隠しの手品師』じゃねぇか」
東雲さんは、私のスマホに映っている記事を指さし、そう呟く。
「...!え、知ってるの?」
東雲さんから出た言葉に驚き、そう声を上げる。
「あぁ....確か冬弥から..。司センパイが探してるとか言ってたな」
「え?な、なんで?」
「冬弥はそこまでは聞かなかったらしいけどな」
そうなんだ、と平静を装い、返事を返す。
それにしても、なんで探しているんだろう。
__まさか、あの時のショースタッフは...。
仮面を着けていてよく見えなかったけど、この学校の生徒だったなんて。
....不味いことになってしまった。
「ここに映ってるの司先輩達だろ?てっきり知り合いなのかと思ったけどな」
「た、確かにね」
頬には冷や汗が伝い、机の下にある手には力が入る。
___もう二度とあんなことには遭いたくない。
そう思いながら、私はスマホをポケットにしまった。
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こーらふろーと(プロフ) - 麗紅花さん» コメントありがとうございます!亀投稿ですが、じっくりと待って頂けると嬉しいです! (2022年5月30日 2時) (レス) @page19 id: d3b8f2bb05 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 良いですね!ワンダショー(特に類君)は夢主を助けるみたいな展開でありつつ、夢主も自分の本当の思いを蘇らせる……面白い話ですね。話の展開も良いし、何より好みの話ですので続きが気になります。ですので、更新は何時までも待っています! (2022年5月25日 21時) (レス) @page19 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こーらふろーと | 作成日時:2022年4月16日 13時