19話 ページ19
今日は、ショーの練習日。
休日であるため、午前中から皆が集まっていた。
「集まったことだし、そろそろ練習を始めるぞ！」
「はーい！」
天馬さんの一声に鳳さんがそう返事をする。
「...といっても今日はどんなショーをするかってところからだね」
「そうだ！諸君！何かやりたいことはあるか！」
「はいはーい！私、王国を舞台にしたショーをやりたいなー！」
くるくると回りながら、そう元気に鳳さんは提案した。
「王国....ね。いいと思う、やったことないし」
そう言って、草薙さんも鳳さんに賛同する。
私は、次々と意見を出し、ショーを作り上げていくこの作業は好きだ。
でも、途中から入った私が意見を言っていいのかな....。
皆の意見に相槌を打っていると、天馬さんに肩を叩かれる。
「Aも言っていいんだぞ！」
「あ....えと.....」
唐突に渡されたバトンに、私はたじろいでしまった。
＿＿ど、どうしよう。
そう思っていると、神代さんが口を開く。
「＿＿＿ごめんね、Aくんの話の番を取ってしまうようで悪いんだけど...」
「あ、いえ！大丈夫です！」
多分神代さんは困っていた私がわかったのか、話をしてくれたのだ。
わざわざ自分を下げてまで、そんな事をしてくれた神代さんに感謝の意を込めて、頭を軽く下げる。
「ありがとう。僕が考えたのは、『王女様の笑顔を取り戻すために尽力する王国の物語』だよ」
＿＿＿『笑顔』。
その言葉を聞いた後、私は咄嗟に目を瞑る。
脳裏にあの時の光景が過り、逃げるようにまた目を開けた。
「『笑顔』を取り戻す....？」
「それなら、今まで出た皆の意見が取り入れられているだろう？」
草薙さんの問いに、神代さんがそう答える。
一人唸っている天馬さんに気付いた。
「どうしたの？司くん？」
鳳さんがそう天馬さんに問いただすと、天馬さんはいや、と声を漏らす。
「...類にしてはシンプルだなと思ってな」
「類くんにしては、シンプル？」
「あぁ。確かに話は面白いと思うが、インパクトに欠けると思ってな....」
＿＿＿ショーを共にしてきたからこその、天馬さんの意見だろう。
「それに関しては問題ないよ。だって＿＿＿＿＿＿」
私含めて鳳さんも草薙さんも黙っていると、そう神代さんが声を上げる。
「主役は仮面を着けている＿＿＿＿Aくんだからね」
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こーらふろーと(プロフ) - 麗紅花さん» コメントありがとうございます！亀投稿ですが、じっくりと待って頂けると嬉しいです！ (2022年5月30日 2時) (
レス) @page19 id: d3b8f2bb05 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 良いですね！ワンダショー（特に類君）は夢主を助けるみたいな展開でありつつ、夢主も自分の本当の思いを蘇らせる……面白い話ですね。話の展開も良いし、何より好みの話ですので続きが気になります。ですので、更新は何時までも待っています！ (2022年5月25日 21時) (レス) @page19 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こーらふろーと | 作成日時：2022年4月16日 13時
