18話 ページ18
「それで...僕が今日呼んだのは、お茶したかったって言うのもあるけど....」
「あるけど....？」
私が瑞希さんの言葉を繰り返すように、そう問うと、
「じゃーん！！」
と紙袋から何かを取り出した。
「....！」
＿＿＿それは、ショーで使われる衣装。
水色をベースとした、白いフリルがあしらわれている可愛らしい服だった。
「これね〜！僕がAのために作ったんだ〜！」
「私に...！？しかも作ったって....」
「そう！ショーをまたやるって聞いてから、いてもたってもいられなくなってさ〜！」
そう言って、瑞希さんは嬉しそうに体を揺らした。
瑞希さんは服のセンスがいいとは知っていたけど、作れるとまでは知らなかった。
＿＿しかも、私のためにわざわざ作ってくれていたなんて。
心がじんわりと暖かくなるのを感じる。
「ありがとう...！瑞希さん！」
「えへへ〜！どういたしまして〜！そんな喜んでくれるなんて、こっちも作った甲斐があったよ〜！」
そう言って、瑞希さんはショーの服を紙袋にしまい、私に差し出す。
受け取ろうとした時、紙袋をひょいと後ろに下げられた。
「....？あ....や、やっぱり駄目だよね...無料でなんて....」
「いやいや！そういうのじゃないよ！ただ...＿＿」
そう言って瑞希さんは、私に真剣なまなざしを向ける。
その真剣さに、私もすぐ手を机の下にひっこめた。
「＿＿＿....約束してほしいんだ」
「約束...？」
「そう、約束」
先程の空気とは打って変わって、瑞希さんは声のトーンを落とす。
「＿＿＿絶対無理しないで。それが、僕との約束」
「.....！」
私の過去を唯一わかち合った相手だからこその、瑞希さんのその言葉。
決して私を責めているわけではない、その暖かい言葉。
私は瑞希さんの言葉に答えるように鞄を開け、肌身離さず持っている『大切なもの』を取り出す。
「＿＿＿わかりました。....でもきっと頑張ってみせますから！」
「....！....まだ持っててくれてたんだ。その仮面」
「はい...！私のお守りですから....！」
私がそう言うと、瑞希さんは目を細めて、再び紙袋を差し出す。
「応援してるよ！A！」
「＿＿＿＿はい！」
そう返事をして、瑞希さんから紙袋を受け取る。
傍にあった仮面が太陽に照らされて、きらりと反射した。
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こーらふろーと(プロフ) - 麗紅花さん» コメントありがとうございます！亀投稿ですが、じっくりと待って頂けると嬉しいです！ (2022年5月30日 2時) (
レス) @page19 id: d3b8f2bb05 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 良いですね！ワンダショー（特に類君）は夢主を助けるみたいな展開でありつつ、夢主も自分の本当の思いを蘇らせる……面白い話ですね。話の展開も良いし、何より好みの話ですので続きが気になります。ですので、更新は何時までも待っています！ (2022年5月25日 21時) (レス) @page19 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こーらふろーと | 作成日時：2022年4月16日 13時
