13話 ページ13
声の主の方へと振り返る。
そこにはツインテールが特徴的な少女が立っていた。
「だ、誰....？なんで私の名前を...？」
「ミクはミクなのだ〜！」
えっへん、と言わんばかりに彼女は腰に手を置く。
そこじゃなくて、今なんて言った...？
「み、ミク...？って初音ミク！？」
「うん！私はミク！司くんの思いから生まれたセカイのミクだよ〜！」
ぴょんぴょんと、私の前でミクさんは跳ねる。
ミクってバーチャルシンガーなんじゃ....？
しかも司って....天馬さんの思いって....？
グルグルと頭の中で考えて混乱していた私の目の前に、もう一人の人物が現れた。
「こらこらミク。Aちゃんが困ってしまうだろう？」
青い髪が特徴的な彼は、跳ねているミクさんを制止させようとする。
ミクさんがいるってことは....彼は....
「カイトさん...？」
「僕の事をミクから聞いたのかい？」
「い、いえ....」
なんとなく予想していたことが当たってしまった。
でも、私が知っているバーチャルシンガー達とは、イメージが違う気がする。
困ったように唸ると、彼が口を開く。
「混乱するのも無理はないよ。簡単に説明すると、ここは司くんの思いからできたセカイなんだ」
「＿＿セカイ？」
「そう」
そう言って彼は、私を近くのベンチに座るよう誘導する。
断ろうとも思ったが、彼の紳士的な態度の前でそれは不躾化と思い、素直に座った。
残りの二人も、私の横に座る。
「セカイ....それは本当の思いを見つける場所さ」
「本当の思い....」
「君の存在が彼らにとって、必要不可欠だったから、ここに君は来たんだよ。＿＿逆に彼らの存在が、君にとっても必要だったのかもしれない」
「....！」
胸の内を少し暴かれた感じがして、カイトさんの方を向く。
彼は私の驚いた顔を見て、少し『笑った』。
頬に嫌な汗が流れ、目をそらす。
「Aちゃん....大丈夫...？」
「＿＿＿だ、大丈夫です...！なんとも...！」
不安そうに私の顔を見るミクさんに、焦ってそう返す。
カイトさんは私の顔が崩れたのが見えたのか、少し悲し気な顔をしていた。
＿＿私の名前を知っていたし、もしかしたら私の秘密を知っているのかもしれない。
無意識に、握る拳に力が入った。
私は、いつまで取り繕うことができるのだろう。
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こーらふろーと(プロフ) - 麗紅花さん» コメントありがとうございます！亀投稿ですが、じっくりと待って頂けると嬉しいです！ (2022年5月30日 2時) (
レス) @page19 id: d3b8f2bb05 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 良いですね！ワンダショー（特に類君）は夢主を助けるみたいな展開でありつつ、夢主も自分の本当の思いを蘇らせる……面白い話ですね。話の展開も良いし、何より好みの話ですので続きが気になります。ですので、更新は何時までも待っています！ (2022年5月25日 21時) (レス) @page19 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こーらふろーと | 作成日時：2022年4月16日 13時
