映画のような恋(名取) ページ38
「何か飲むかい?」
『うん、あったかいのがいい』
「今いれてくるからちょっと待っててね」
『ありがとう周一』
只今名取家。
常日頃幽霊や、妖が見えてる私達にホラー映画など皆無なの。
必要ない訳なのだけど
たまには、ね。
『あはは!何あのメイク!ちっとも怖くないってゆーか人間らしさがありふれてるね!』
「Aは好きだね。こういうの」
『なによ、周一は嫌いなの?』
「嫌い…か。どちらかというと興味ないかな。」
ニッコリと笑う。
『でも……見えない人が羨ましいと思うのは今でも時々。』
「…A………」
『見えなかったら、もう少し普通の女のコでいられたんだけどな。』
「……ああそうだ。」
『ん?どうしたの?』
「今度はこっち見ようか」
名取が手にしたのは最新作のラブストーリー。出演者に名取周一の名前が。
『うぇ…。何が悲しくて好きな人のラブシーンを好きな人と見なきゃならないのぉ…』
「まぁまぁ、これは役だし。Aには見てもらいたかったんだ」
『……うん。わかった見よう』
映画の話が進むにつれて
どんどんその世界へと
引きずり込まれる。
凄い。
「あ」
『へ?』
「ちょっとここは早送りで」
『え、なんで?……ああもしかしてキスシーン?』
「……………」
『そんなことで一々怒らないよ。子供じゃないんだから』
「そうかな?結構何回もするし、この後ベッドにも行くよ」
『…………』
「ほら、やっぱり怒ってる」
『…怒ってない』
「A」
名前を呼んだ後ニコって笑って
そうやっていつもキスをする
「この後どうなるかわかる?」
『……映画みたくなる』
「そうだね。じゃ行こうか」
抱き上げられて向かう先に待っているのは
☽・:*死ぬほど甘いラブストーリー☽・:*
「やっぱりAの肌が一番だな」
『は?なにそれ!』
「いやぁ。」
普通じゃなくてもいい。
一緒にいられるなら
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作者名:みなつ | 作成日時:2020年9月8日 20時